高齢者の交通事故を防ぐには?認知症の疑いがあれば免許返納をしよう

最近のニュースでは、高齢者による交通事故が頻繁に報道されるようになりました。高速道路を逆走したり、コンビニに突っ込んだり、毎日のように高齢者がらみの事故を目にしますよね。

2015年の統計では、日本の人口における65歳以上の人の割合は、26.7%となっていました。およそ、4人に1人が高齢者という計算です。そして、2035年には33.4%(3人に1人)、2060年には39.9%(2.5人に1人)になると予測されています。

これから高齢者の数は増え続けますから、こういった事故が減ることはありません。もしも、自分の両親が加害者になってしまうと、その家族である自分にも責任が出てきます。

なので、今のうちからできる対策を知っておきましょう。

高齢者による事故の事例

高齢者による事故は多くの事例がありますが、いくつかの例を紹介します。

高速道路の逆走

82歳の男性が道に迷って高速道路へ侵入し、本線を逆走した事件が2007年に香川県でありました。奇跡的に他の車との衝突はしませんでしたが、中央分離帯に激突して、その後も10km以上も走り続けました。

駆けつけた警察官に止められましたが、「自分は逆走していない」と最後まで間違いを認めなかったそうです。

ブレーキとアクセルを間違える

2006年に長野県で起きた事故ですが、79歳の男性が80歳の妻を車で下敷きにするという事例がありました。大型スーパーの駐車場で止めようとしたところ、ブレーキとアクセルを間違えて、先に降りていた妻を轢いてしまったようです。

買い物客の列にまで突っ込んで、4人のけが人を出してしまいました。その中には、4歳の少女も含まれており、ニュースでも大きく報道されましたね。

高速道路で玉突き事故

首都高湾岸線で70歳の男性が運転するトラックが、渋滞の列に突っ込んで4台の車が絡む多重衝突事故が発生しました。ワンボックスカーが大型車に挟まれる形となり、乗員6名のうち4名が死亡、2名が重症という大事故となっています。

警察の調べによると、「前をよく見ていなかった」と説明し、ほとんどノンブレーキで突っ込んだようですね。

こういった事故は毎日のように起こっており、明日は自分が被害者になるかもしれません。周りに気を付けていても予測不能なことが多いですから、完全に事故を防ぐのは難しいのが現状です。

交通事故は減っているが高齢者の事故は増えている

credit:警視庁

上のグラフは、都内の交通事故の発生件数をグラフ化したものです。

交通事故の発生件数は、平成18年から右肩下がりに減り続けています。平成18年と平成27年を比較すると、半分以下にまで減っていますね。これは、自動車の自動車の安全性能が向上していることが理由でしょう。

でも、高齢者の事故率に関しては、毎年のように増加していますよね。平成27年は21.5%となっており、10年前の2倍近くにまで増加しています。

つまり、若者の事故が減っていて、高齢者の事故が増えているということです。

若者の間ではクルマ離れが進んでいるので、運転する人自体が減ってきています。でも、老人の数は増え続けているわけですから、必然的に高齢者の事故が増えてくるということですね。

交差点とカーブでの事故が多い

高齢者の事故のうち、交差点での事故が最も多いと言われています。出合い頭や右折時に衝突することが多いわけですね。判断能力が低下していますから、左右の確認を疎かにして事故の遭うケースが多くなっています。

また、単独事故の多くは、カーブで起こっていますね。車線を逸脱してガードレールなどと衝突するケースが多発しているようです。対向車と正面衝突してしまうと、死亡事故に繋がることもあります。

交差点やカーブでは高齢者の事故に巻き込まれる恐れがあるので、十分に注意して走行するようにしてください。

高齢者の事故報道が増えたのは自動車メーカーの陰謀?

最近になって高齢者の事故が大々的に報道されていますが、こういった事故は昔からあったはずです。確かに高齢者の事故が増えているとしても、急に騒ぎ出すのは不思議ですよね。

これは、自動車メーカーが裏で糸を引いているという噂があります。

2014年ごろから自動車業界で注目されている技術が、「自動ブレーキ」などを代表とする運転支援システムです。

緊急時に自動停止したり、車間距離を一定に保ったり、車線をキープしたりなど、安全なドライブをサポートするためのシステムとなります。現在では、国産メーカーのすべてが、何かしらの運転支援システムを搭載しています。

スバル アイサイト
トヨタ Toyota Safety Sense
日産 全方位運転支援システム
ホンダ Honda SENSING
マツダ i-ACTIVSENSE
三菱 e-Assist
ダイハツ スマートアシスト
スズキ デュアルカメラブレーキサポート

要は、こういったシステムを普及させるために、自動車メーカーがマスコミを使って高齢者の事故を報道させているということです。「高齢者の運転は危険だから自動ブレーキを付けましょうね」ってことですね。

世間的に高齢者の運転は危険だという認識が広まれば、将来的に自動運転車の普及にも繋がっていくわけです。自動車メーカーが利益のために、マスコミを使って印象操作をしているとされています。

ただ、あくまでも噂レベルの話ですから、本当かどうかは分かりません。信じるかどうかは、あなた次第ということですね。

高齢者が事故を起こす要因

年を取ると老化によって、色々な能力が衰えてきます。若いころは普通にできたことでも、年を取るごとに難しくなってくるわけです。なので、事故を起こしやすくなるということですね。

そして、高齢者が事故を起こす要因としては、「身体的特性」と「心理的特性」に分けられます。

身体的特性

身体的な能力が低下してしまうと、正常な運転が難しくなってしまいます。

  • 目が見えにくくなる
  • 耳が遠くなって聞こえにくくなる
  • 反射神経が衰える

たとえば、動体視力が落ちることで、走行中に周りの景色が見えにくくなってくるでしょう。すると、対向車や歩行者、信号や標識などを見落としてしまって、事故を招いてしまうわけです。

さらに、視野も狭くなってくるので周りの状況の変化に気付くことができませんし、コントラストの感度も落ちることで明度の差が小さな物体に気付くのが遅れることがありますね。

他にも、耳が遠くなるとクラクションが聞こえませんし、反射神経が衰えることで回避行動ができなくなってしまいます。

心理的特性

老化が進むことで、身体だけでなく心理的にも影響が出てきます。

  • 何でも自己中心的に考えがち
  • 注意力や集中力が下がる
  • 若いころと同じように運転できると思っている
  • 慣れによる思い込み

年を取ると、頭が固くなってきますよね。すると、自分中心に物事を考えがちになって、周りに対する意識がいきにくくなります。たとえば、対向車が歩行者に道を譲るために停止したのに、自分のためだと思って進んでしまったりするわけです。

また、注意力や集中力も下がってしまうので、危険を察知する能力が衰えてしまいます。なので、交差点で出合い頭に衝突してしまったり、わき見運転で追突したりという事故が増えるようになりますね。

あとは、加齢を認めない老人が多いのも問題です。今でも十分な運転スキルを持っていると思い込むことで、乱暴な運転をしてしまいがちになります。

認知症患者も増えている

厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症患者だそうです。ただ、これは医師に認知症だと診断された人の数ですから、診察を受けていない人も含めるともっと多くなります。

認知症になると正常な判断ができなくなるので、運転中に目的地を見失ったり、運転の操作方法を忘れてしまうなどの症状が出てきます。事故を起こしたのに気づかない場合などもあり、こういった人が運転していると思うと怖いですよね。

高齢者の事故は家族が監督責任を問われる

事故を起こして取り調べで認知症が発覚すると、その責任は家族が負うことになるかもしれません。自動車保険も認知症患者には保険金を出さない場合がありますから、莫大な損害賠償が発生する可能性があるわけです。

なので、自分の身内に認知症の疑いがある人がいれば、絶対に車を運転させてはいけません。認知症だと止めても車に乗ってしまうので、早い段階で免許の返納をさせる必要があります。

現在では、運転免許の自主返納をする「運転経歴証明書」をもらうことができ、これを提示すれば特典を得られる店も増えているようです。

たとえば、引っ越し料金が割引になったり、銀行預金の金利がアップしたり、ホテルの宿泊料金が安くなったりしますね。詳しくは、以下のページで確認してみてください。

高齢者運転免許自主返納の特典一覧

地方だと車が無いと生活できない現実

認知症の疑いがあっても、免許の返納が難しい場合があります。たとえば、クルマ以外の交通手段が無いようなときです。

都心なら電車やバスなどの交通手段が豊富ですが、地方であればクルマが無いと生活が成り立ちません。最寄りのスーパーや病院まで数kmあるような場所だと、高齢者が歩いて通うのは難しいですよね。

地方の路線バスは本数が減り続けていますし、夜になるとタクシーを捕まえることも難しいです。なので、免許の返納をしたいけれど、それが難しいという人も増えています。

こういった場合は、周りの家族がサポートして、外出時には送り迎えをしてあげるなどの対処が必要ですね。

国をあげて高齢者ドライバーの対策を行っている

高齢者による事故が増えていることから、国としても色々な対策を行っています。

道路交通法の改正

2017年(平成29年)3月から、改正道路交通法が施行されることになりました。

その中で、75歳以上の運転者が特定の違反行為をした場合、「臨時認知機能検査」を受けることが義務付けられます。その検査で認知機能が低下していると判断されると、「臨時高齢者講習」を受けなくてはいけません。

さらに、認知症の疑いがあると判断された人は、医師の診断書の提出を求められるようになります。医師によって認知症だと診断されると、免許の取り消し処分となってしまいますね。

特定の違反行為というのは、認知機能が低下した時に起こりやすいものを指します。具体的には、以下の18個となります。

  • 信号無視(点滅信号を含む)
  • 通行禁止違反(一方通行道路を逆行するなど)
  • 通行区分違反(逆走や歩道の通行など)
  • 指定横断等禁止違反(禁止場所で横断・転回するなど)
  • 進路変更禁止違反(黄線を越えてレーン変更など)
  • 踏切での違反(踏切前不停止/しゃ断踏切立ち入りなど)
  • 交差点右左折方法違反(徐行せず右左折する)
  • 指定通行区分違反(直進レーンから右折するなど)
  • 環状交差点安全進行義務違反(徐行しないなど)
  • 優先道路通行車妨害(交差する優先道路の車の通行を妨害)
  • 交差点優先車妨害(対向車の直進を妨げて右折するなど)
  • 環状交差点通行車妨害
  • 横断歩行者等妨害(横断歩道で一時停止しないなど)
  • 横断歩道のない交差点で歩行者横断を妨害など
  • 徐行場所違反(徐行すべき場所で徐行しない)
  • 指定場所一時不停止(「止まれ」標識で止まらない など)
  • 合図不履行(右左折などの際にウィンカーを出さない)
  • 安全運転義務違反(操作ミスなど)

警察による啓蒙活動

高齢者の事故防止を呼び掛けるポスターを作製したり、高齢運転者に対する相談窓口を設けています。

運転スキルに自信のない人には、「シルバードライバーズ安全教室」を開いて指導なども行っていますね。安全運転のためのコツを教えてもらえるので、自分の両親などを受講させてみても良いかもしれません。

国土交通省による自動車メーカーへの呼びかけ

高齢ドライバーによる事故を防止するために、国土交通省が軽自動車を販売するメーカーに対して安全対策の要望を出しています。

高齢者の多くが軽自動車に乗っていることから、自動ブレーキなどの安全装備の普及を促進することなどを求めました。また、すでに所有しているクルマに、後付けできる安全装置の開発なども要請していますね。

以上、高齢者ドライバーの事故について解説をしました。これからますます増えていくでしょうから、自分の周りの高齢者には運転させないような対策が必要になってきます。他人事ではないので、個人個人が意識しないといけません。

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