保険の自由化によって多様化した自動車保険

保険の自由化によって多様化した自動車保険

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今では考えられないことですが、一昔前までは自動車保険はどの会社でも同じ料金でした。法律により保険料の料率が決められていたので、保険会社による差がなかったわけです。

 

しかし、1998年から自動車保険が完全に自由化されて、色々な保険商品が発売されるようになったわけですね。なので、保険会社独自の補償があったり、保険料の割引を受けられたりして多様化しています。

 

ここでは、保険の自由化による自動車保険の変化について紹介していきます。

 

保険の自由化によって多様化した自動車保険

 

自由化に至るまでの流れ

 

先述の通り、自由化が始まるまでは、損保業界の保険料はすべて横並びの状態でした。これは、国が「護送船団方式」と呼ばれる手法で、金融業界の安定を図っていたからです。

 

護送船団方式とは、業界内の弱小企業でも倒産しないように、国が収益や競争力をコントロールするという手法です。かつては金融恐慌により金融機関の破綻が相次いでいたので、それを防ぐために行われていました。

 

そのため、自動車保険料率算定会が算出した料率を、すべての保険会社が採用しなくてはいけなかったわけです。

 

 

しかし、1996年に新保険業法が施行されて、保険業界に自由化の波が訪れることになります。この法律においては、以下のような特徴があります。

 

  • 子会社を設立すれば、生命保険と損保保険の両方に参入できる
  • 届け出をすれば、保険商品や保険料を自由に設定できる
  • 料率算定会制度の見直し

 

さらに、同年12月に日米保険協議が決定し、算定会料率の使用義務が廃止されました。これによって、年齢や運転歴、走行距離などで保険料が変わる、「リスク細分型自動車保険」が許可されることになります。

 

販売方式も多様化することになり、1997年にアメリカンホーム保険が通販型の自動車保険の販売を開始しました。

 

 

保険の自由化によるメリット

 

保険会社が自由に競争することで、消費者にとってはメリットが増えました。以下で、詳しく見ていきましょう。

 

 

保険料が安くなった

 

保険会社の独断で保険料を設定できるので、値下げ競争によって保険料が下がりました。同じ補償内容であっても、金額にかなりの差が出ることがあります。

 

また、ゴールド免許割引や新車割引など、色々な割引制度を用意する保険会社が増えました。こういったものを利用することで、リーズナブルに自動車保険に加入できるようになったわけですね。

 

ただし、安くするだけだと保険会社の利益が無くなるので、リスク細分型の保険料が採用されています。これは、優良ドライバーには値引きをして、事故が多いドライバーには割増料金となるような料金設定のことです。

 

安い保険料を維持するためには、事故を起こさないように安全運転を心がけなくてはいけません。

 

 

保険のバリエーションが豊富になった

 

保険会社ごとにオリジナルの保険商品が作られたので、自分のライフスタイルに合わせて補償内容を選択できるようになっています。保険や特約をうまく組み合わせれば、特殊な使用条件にもマッチするプランを作れますね。

 

たとえば、毎日車に乗る人と、週末しか乗らない人とでは、事故の確率や想定されるリスクが異なるでしょう。こういった場合に、微妙に補償内容を変更してプランを作ることができるわけです。

 

 

通販型の自動車保険が登場した

 

これまでの代理店型に加えて、通販型と呼ばれる保険の販売方式も解禁されました。代理店を通さずに、電話やインターネットで申し込みをするタイプですね。保険会社は代理店への手数料を省くことができるので、通常よりも保険料が安くなっているのが特徴です。

 

なるべく保険料を節約したい人にとっては、かなりメリットがあるでしょう。

 

 

外資系も参入できるようになった

 

保険の自由化に合わせて、チューリッヒやアメリカンホームなどの外資系企業も参入してきました。これまでは国内企業だけでしたが、外資系からも選べるようになったので、選択の幅が広くなったと言えます。

 

外資系の損保会社の多くは、通販型の自動車保険なので保険料が安くなる傾向にあります。ユニークなプランを用意している会社もありますから、選択肢が多くなるのは大きなメリットですね。

 

 

保険の自由化によるデメリット

 

自由化によって多くのメリットが増えましたが、それと同時にデメリットも少なからずあります。なので、それについて知っておいてください。

 

 

商品・サービスが複雑になった

 

各社が色々な商品やサービスを打ち出すことで、複雑になりすぎたというデメリットがあります。知識のない一般消費者からすると、数が多すぎて理解できなくなるリスクがあるわけですね。

 

代理店の担当者の知識にもバラつきが出始めて、人によって話す内容が変わることもあるようです。なので、しっかりと内容を吟味してから、契約をしないといけません。

 

特に、通販型だと担当者がいないので、すべて自分で調べる必要があります。適当に選んでしまうと、万が一の時に補償が受けられないかもしれませんよ。

 

 

保険金の不払いが増えた

 

保険商品が多様化・複雑化したことで、保険金の算出に不備が出るケースも多くなりました。保険会社の担当者ですら知らない補償などもあり、正しい保険金の計算が困難になったからですね。

 

なので、本来支払われるはずの保険金が、不払いになっていることも少なくありません。現在では改善されていますが、当時は社会問題となっていました。

 

 

 

以上、自由化によるメリットとデメリットを紹介しました。損保業界は大きな改革がありましたし、これからも変化し続けていくでしょう。正しい保険の知識を身に付けて、お得な補償を選べるようになってください。

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