後遺障害等級認定の仕組みとは?

後遺障害等級認定の仕組みとは?

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後遺傷害とは、症状固定になっても完治していない状態のことを指します。たとえば、骨折をして骨がくっついても、関節が曲がりにくいままといった状態のことです。

 

このように、事故によって怪我をして後遺症が残った場合、等級に応じた保険金を受け取ることができます。自賠責保険では、最大で4,000万円の保険金が支払われますね。

 

ただ、後遺障害等級の認定で、納得のいく結果が得られるとは限りません。自分の予想よりも軽度の後遺症だと判断されると、それだけ保険金の額も減らされてしまいます。

 

なので、納得のいく後遺障害等級を得るために、その仕組みについて知っておいてください。

 

後遺障害等級認定の仕組みとは?被害者請求や異議申し立ての方法について

 

後遺障害等級の決まり方

 

後遺障害等級は、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)という組織によって認定されます。1〜14級に分かれており、1級が最も高く14級が最も低い等級となりますね。

 

ここへ医師に作成してもらった「後遺障害診断書」などの書類を提出することで、等級の審査が行われるわけです。

 

基本的には書面審査のみなので、ここで自分の具体的な症状を示す根拠を提示できるかがポイントとなります。(顔に大きな傷が残った時には、面談が行われることもあるようです。)

 

そして、申請から1〜2カ月ほどで後遺障害等級が認定されるはずです。

 

 

申請方法としては、「事前認定」と「被害者請求」の2つとなっています。

 

事前認定 加害者の保険会社に手続きを行ってもらう
被害者請求 被害者が自分で手続きを行う

 

事前認定だと保険会社に手続きを代行してもらえますが、等級が低く抑えられるというデメリットがあります。保険会社としては賠償金が少ない方が良いわけですから、等級を高くするための対策は行ってくれません。

 

一方、被害者請求だと面倒なことが多いですが、自分にとって有利な資料を揃えられるので適切な等級に認定してもらいやすいです。1等級変わるだけで数百万円の差になることがありますから、自分のためにも被害者請求を行った方が良いでしょう。

 

被害者請求で用意する書類としては、以下のようなものがあります。

 

  • 支払い請求書
  • 印鑑証明
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診断書
  • 後遺障害診断書
  • 診療報酬明細書

 

後遺障害に認定されるメリット

 

後遺障害に認定されることで、損害賠償額が飛躍的にアップするというメリットがありますね。通常の傷害慰謝料に加えて、「後遺傷害慰謝料」と「逸失利益」が追加されます。

 

後遺傷害慰謝料 後遺症を負ったことによる慰謝料
逸失利益 後遺症によって得られなくなった利益の補償

 

後遺障害等級が高いほど、支払われる金額も大きくなります。ただ、提出する資料の根拠が弱いと、自分の予想よりも低い等級に認定されてしまう可能性が高いです。

 

ですから、納得のいく後遺障害等級に認定されるためには、しっかりとした準備が必要となります。

 

 

後遺障害等級認定のための準備

 

先述の通り、後遺障害等級の認定は、書類審査がメインとなります。なので、客観的かつ医学的な根拠のある書類を用意しないと、自分が満足できる等級に認定される可能性は低いです。

 

  • 医師の診察が間違っていた
  • 途中で治療を止めてしまった
  • 病院でなく接骨院のみしか行っていない
  • 治療を開始するのが遅かった

 

上記のような状態だと、事故と病状の因果関係が不足するので、根拠の浅い書類しか用意できなくなってします。そのため、事故の直後から適切な治療を行っておく必要がありますね。セカンドオピニオンとして、複数の医師に相談するのも良いでしょう。

 

また、事故から時間が経ってから異変を感じるようになっても、それが事故によるものなのかを証明するのは難しいです。だから、体に異常を感じていなくても、精密検査を受けておくことをおススメします。

 

 

さらに、メディカルコーディネーター(MC)にも、相談をしておいてください。メディカルコーディネーターとは、後遺障害診断書の作成をサポートしてくれる人です。

 

実は、医者は治療の専門家ですが、後遺障害等級認定のノウハウは持っていません。だから、どんな診断書を書けば後遺障害等級に認定されるのかを分かっていないわけですね。人によって書き方に違いがありますから、等級の認定にも差が出てくるわけです。

 

メディカルコーディネーターに相談すれば、主治医と相談して自分に有利な後遺障害認定書を作成してくれます。

 

 

後遺障害の認定を受けやすい書類には、ある特定の特徴があります。それが、以下の2つですね。

 

  • 症状の裏付けとなる医学的な根拠
  • 事故と症状の因果関係の明確化

 

症状の裏付けとなる医学的な根拠

 

「後遺症が残った」と口頭で説明しても、何の根拠もありませんよね。なので、それを示す医学的な根拠が必要となります。

 

たとえば、関節が曲がりにくくなったのであれば、MRIやレントゲンなどの写真があれば根拠となりますよね。他にも、色々な検査結果を提出できれば、それも根拠として有効です。

 

 

事故と症状の因果関係の明確化

 

これは、事故直後に診察を受けて、症状が継続していることを示す必要があります。そのために、定期的に通院をして診断書を作成してもらわないといけません。

 

なので、途中で通院を止めてしまったり、診察の間隔があきすぎると根拠としては弱くなります。

 

 

後遺障害等級への異議申し立て

 

後遺障害等級への申請をしても、結果に満足できないことがあるかもしれません。提出した書類の根拠が薄ければ、予想よりも低い等級しか認定されないでしょう。

 

どうしても結果に納得できないならば、異議申し立てをすることもできます。

 

ただ、闇雲に再審査を依頼しても、結果が変わることはありません。そのため、ちゃんとした根拠のある書類を作成して、再審査を依頼してください。

 

異議申し立てには、以下の2つを意識する必要があります。

 

  • 低い等級になってしまった理由を分析する
  • その理由が不適当で自身の症状を裏付ける根拠を用意する

 

 

低い等級になってしまった理由を分析する

 

保険会社から送られてきた通知書には、等級認定の理由が記載されています。なので、まずはそちらを分析しましょう。抽象的すぎて分からない時には、保険会社に「理由開示の申し入れ」を行うこともできます。

 

そうすれば、明確な理由を知ることができるはずです。

 

 

その理由が不適当で自身の症状を裏付ける根拠を用意する

 

理由が分かったなら、それが不適当だという裏付けを用意しましょう。医師に診断書の作成を依頼して、もっと上の等級に該当する症状があることを示すわけです。

 

 

これだけの書類を用意して異議申し立てをすれば、再審査によって自分の主張が通るかもしれません。

 

このあたりの判断は素人には難しいですから、弁護士に相談してみることをおススメします。後遺障害等級認定に詳しい弁護士なら、詳しいアドバイスをしてもらえるでしょう。

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